青森県むつ市に建設された中間貯蔵施設=2018年11月、朝日新聞社機から、恵原弘太郎撮影
  • 写真・図版

 国のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」の見直しに向けて、原子力の課題を話し合う経済産業省の「原子力小委員会」の議論が25日、始まった。最大の焦点は、原発活用にかじを切った岸田政権が原発の建て替え(リプレース)をどう具体化するかだ。(福地慶太郎、三浦惇平)

三菱重工など開発の「革新炉」、設計8割完了

 岸田政権が昨年2月に閣議決定した基本方針では、廃炉を決めた原発の敷地内で「次世代革新炉」への建て替えを推進すると明記した。政府が「次世代革新炉」と呼ぶ五つのタイプのうち、本命視されるのが「革新軽水炉」だ。

 原子炉を水で冷やす既存の原発(軽水炉)に、事故時に溶けた核燃料を冷やして格納容器の破損を防ぐ「コアキャッチャー」などを追加。三菱重工業や関西電力などが共同開発中で、基本設計の8割が完了したという。

欧米では原発の建設コスト倍増、日本と重なる背景

 一方、欧米では近年、安全対策を増した原発建設の工事の長期化やコスト増加が大きな問題となっている。

 昨年と今年に営業運転を始め…

共有